大富豪専用トランプ

大富豪専用トランプ

 「大富豪専用トランプ」発売1周年(2010年9月発売)と同「超神ネイガー版」の発売記念(2012年2月発売)で、コラムというかこれまでの振り返りを…。

 「大富豪専用トランプ」の企画が始まったのは、2009年春。「モノポリー秋田県版」制作時代からの友人でグラフィックデザイナーのYと共に、ご当地トランプの企画・制作・大富豪ゲームの普及等を目的に「大富豪研究所」を立ち上げた。

 商品アイデアとデザイン案を決め、カードに使うイラストをイラストレーターIさんに依頼。翌2010年初夏、Yが一身上の都合からデザイナーを廃業、グループを離脱。同時に「超神ネイガー」原作者でネイガープロジェクトの高橋大を新メンバーに迎える。

 同年9月、「なまはげ印の大富豪専用トランプ」を秋田県内限定で発売した。

>> なまはげ印の大富豪専用トランプ・取扱店

商品アイデアについて…

 「大富豪専用トランプ」というアイデアについては、「専用を謳いながら普通のトランプとしても遊べるというのは、逆にわかりづらいのでは?」「全く新しいカードゲームを提案した方がいいのでは?」と指摘されることも少なくなかった。

 まず、「ご当地トランプ」として、何らかの「ひっかかり」を持たせないと全国に数多ある普通のご当地トランプになってしまう。カードにご当地の「イラスト」「写真」「方言」などを掲載したものや、「ご当地キャラとコラボ」したというトランプなら既に全国にいっぱいある。秋田発の「全く新しいご当地トランプ」として発売するためには、商品そのものをデザインをする必要があった。

 そこで、いったん「トランプ」を離れ、「全く新しいカードゲーム」として企画することも考えられた。しかし、仮にこの考え方を採った場合、越えがたい高い「壁」を自ら作ってしまうことになるだろうと思った。これは、「モノポリー秋田県版」の企画・制作から販売までを通じ、課題として感じていたことだった。

 70年以上の歴史を持ち、世界に5億人のプレーヤーがいるとされる「モノポリー」ほどのゲームですら、国内での認知度はそれほど高いものではない。このことは、「ゲームファン」向けではなく、一般の観光客向け「ご当地土産」としての販売を考えたときにはどうだろう? 「全く新しいカードゲーム」を果たしてユーザーは求めているのだろうか? 少なくとも、ある種の「気軽さ」を求めているであろうはずの観光客に訴求すべき「ご当地トランプ/ご当地ゲーム」として、「全く新しいカードゲーム」の商品化は、さすがにハードルが高すぎるように思えた。

 「ご当地性」を考えなければ、この「壁」を越えた製品は、たぶん1つだけある。
 「UNO/ウノ」(マテル社)である。

 ところで、「大富豪」のアイデアを盛り込んだトランプ(カードゲーム)として、「大富豪専用トランプ」(大富豪研究所)がオリジンというわけではない。

■ a)「凄トランプシリーズ・超大富豪」(エンゼルプレイングカード社)
 トランプを2組セット(カード数106枚)にし、大富豪の大人数でのプレイに対応したもの。

■ b)「革命!人生大富豪」(タカラトミー社)
 「大富豪」をベースにオリジナルゲーム化したもの。

 いずれも意欲的で魅力的な「大富豪」カードゲームだが、「UNO(ウノ)」までの普及にはいたっていない。

 一方、「大富豪専用トランプ」というアイデアには、その後、フォロワーも生まれた。

■ c)「にけつッ!!大富豪飯専用トランプ」(よしもとクリエイティブエージェンシー/2012年)
 これは、標準の4つのスート(スペードやハートなどのマークのこと)に、「月」と「星」の2つスートを加え、計6種のスートで構成したもの。

 「大富豪研究所」が最もこだわったのは、通常のトランプとしても遊ぶことができる「ただの」トランプであるという点だった。

秋田発「大富豪専用トランプ」の歴史 – 2へ続く

【関連記事】
>> 「なまはげ印の大富豪専用トランプ」-秋田のデザイナーらが商品化(秋田経済新聞/Yahoo!ニュース/2010年9月8日)
>> 秋田名物ずらり 大富豪トランプ(読売新聞/2010年9月14日)
>> 最強カードは米俵!!(秋田魁新報/2010年9月24日)
>> 超神ネイガー、トランプで参上(朝日新聞/2011年10月28日)
>> 「にけつッ!!大富豪飯専用トランプ」とは?